国税庁が平成30事務年度における国際課税の状況を発表

     国税庁は2019年11月8日付で、「平成30事務年度法人税等の調査事績の概要」を発表しました。その中で国際課税の状況については以下の通りです。

    (以下は国税庁ウェブサイトより引用、但し1件当たり申告漏れ所得金額は弊社計算)

 (1) 海外取引法人等に係る実地調査の状況

    平成30事務年度は、非違があった件数は前年度比3%減となったものの、申告漏れ所得金額は前年度比約89.9%増となり、申告漏れ所得金額は大幅な増加となりました。申告漏れ所得金額については、5年連続の増加、過去5年間で最高となりました。その結果、1件当たり申告漏れ所得金額は前年度の0.82億円から1.58億円へと増加しました。

(2) 外国子会社合算税制(タックス・ヘイブン税制)に係る実地調査の状況

    タックス・ヘイブン税制については、申告漏れ件数は前年度比17件増加(+31.5%)しましたが、申告漏れ所得金額は前年度比1,060億円減少(-91.5%)と大幅に減少しました。よって1件当たり申告漏れ所得金額は前年度の21.46億円から1.39億円へ大幅な減少となりました。前年度はソフトバンクグループに対する巨額(747億円)の更正が含まれていたと思われますので、今年度はそれがなくなった事による影響が大きいものと思われます。

(3)移転価格税制に係る実地調査の状況

    移転価格税制の申告漏れ件数は前年度比79件増加 (+44.4%)したものの、申告漏れ所得金額は前年度比70億円(-16.3%)減少しました。よって、1件当たり申告漏れ所得金額についても前年度の2.44億円から1.42億円へと大幅に減少しました。中小企業又は大企業の中でも金額が少ない取引への税務調査が増加している事がうかがえます。

(4) 移転価格税制に係る事前確認の申出及び処理の状況

    移転価格税制に係る事前確認(“APA”)の申出及び処理の状況については、処理件数の増加を申出件数の増加が上回り、繰越件数は前年度比23件増加し、423件となりました。

本件についてご不明な点がありましたら、弊社までご遠慮なくご連絡ください。