新着情報(2020年12月3日):国税庁が令和元事務年度における国際課税の状況を発表

国税庁は2020年11月30日付で、「令和元事務年度 法人税等の調査事績の概要」を発表しました。その中で国際課税の状況については以下の通りです。

(以下は国税庁ウェブサイトより引用、但し1件当たり申告漏れ所得金額は弊社計算)

 (1) 海外取引法人等に係る実地調査の状況

令和元事務年度(2019年7月~2020年6月)は、新型コロナウィルス感染拡大が年度後半の調査に影響を及ぼし、実地調査件数は13,116件(前年度比16%減)、非違があった件数は3,636件(前年度比17%減)と減少しました。また申告漏れ所得金額については前年度から65%減の2,411億円と大きく減少し、その結果1件当たり申告漏れ所得金額も前年度の1.6億円から0.7億円へと急減しました。

(2) 外国子会社合算税制(タックス・ヘイブン税制)に係る実地調査の状況

タックス・ヘイブン税制については、申告漏れ件数は前年度比6件減の65件でしたが、申告漏れ所得金額は前年度の99億円から4倍以上増加し427億円となりました。申告漏れ所得金額の急増は、サザビーリーグの創業者に対する約130億円、及びみずほ銀行に対する84億円(共に東京国税局)という2件の巨額な申告漏れ指摘が報道されましたが、これら事案が影響したものと考えられます。

(3)移転価格税制に係る実地調査の状況

移転価格税制についても、申告漏れ件数は前年度比45件減の212件でしたが、申告漏れ所得金額は前年度比169億円増加(+47%)の534億円、1件当たり申告漏れ所得金額についても前年度の1.4億円から2.5億円へと増加しました。2020年3月に、無印良品を展開する良品計画が中国子会社との取引をめぐって東京国税局より約75億円の申告漏れを指摘されたという報道があり、この巨額課税事案が1件当たり金額を引き上げた可能性があります。

(4) 移転価格税制に係る事前確認の申出及び処理の状況

移転価格税制に係る事前確認(“APA”)の申出及び処理の状況については、申出件数、処理件数共に前年度比減少したものの、申出件数の方が処理件数より多い状況は変わらず、よって繰越件数は前年度比26件増加し、449件となりました。

 

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